指先の魔法

つくづく親は無力だと思う。

子どもが何か不安を抱えていて、でもそれは子ども自身が解決しないといけないことで、私に出来ることと言えば、

「きっと大丈夫だよ。出来るよ」

と背中をさすってあげることぐらいで。

「頑張れ」と励ますのは、相手にとっては時にプレッシャーになったりもする。

のは、分かっているけれど、他に良い言葉が見つからない。

 

不安な表情のまま出ていく後姿を見送った後、帰宅するまでの数時間は心配で仕方ない。

ちゃんと上手くやれただろうか?大丈夫だろうか?泣いていないだろうか?

そんな思いのまま、日用品を買いに行ったドラッグストアで、

目に止まったマニキュア。即決して買って帰る。

一目惚れだった。

 

小学生のお姉ちゃんも、幼稚園の弟も、それぞれの不安や心配を自分で乗り越えて、笑顔で帰ってきてくれた。

済んでしまえばなんてことはない。そんな感じでケロッとしていた。

朝、出かけるまでは泣きべそかいてたくせに(笑)。

帰宅した子どもたちの「あのね、あのね」攻撃のなか突然、

 

「あ、ママ、おつめ、可愛いね!!」

 

そうだ。爪の色を変えたり、アクセサリーを変えたり、私のそういう小さな変化に一番に気づいてくれるのは、いつだって長男だ。

「そうだよ。買ったの。キレイな色だよね」

「赤?オレンジ?」

「テラコッタ」

「テラコッタ?」

「オレンジでもない、茶色でもない・・・今の季節にぴったりの色」

 

好きな色で彩られた指先は、私を少し幸せにしてくれる。私を少し強くしてくれる。

大丈夫。無力ではないよ。微力だよ。

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